予想されるタスク
予想されるタスク
3月~5月の間、関東平野は周期的に移動性高気圧が通過する気圧配置となる。その高気圧の形や通過する位置の微妙な違いによって、コンディションは大きく4パターンに分けることができる。それぞれのパターンにおいて考えられるタスクを予想してみることにした。
A:好条件であり、南風コンディション
国内でも有名なXCメッカである筑波山系で、このシーズン南風が吹いたとなるとやはり八溝山系を北上するXCビックタスクだろう。
その日のコンディション左右されるのだが、南風が何処まで北上するかによってゴールは変わってくるが、手前南から烏山(40km)、黒羽(70km)、白河(95km)、最北は郡山(125km)が予想される。
前半は筑波山系にて軽く風上ターンポイントへ振った後、ストレートゴールとなる。しかしストレートと言ってもいくつかのコース選択があり、途中形成されるコンバージェンスラインをいかに見切るかが、明暗を分けるカギとなるだろう。
B:好条件であるが、北風ベースなコンディション
こうなると筑波山系エリアでのもう一つの名物"八郷一周"タスクが考えられる。一周約40kmになる八郷盆地を取り囲む外輪山を回ってくることになるが、まずこの周辺特有の局地風を見切り、味方につける必要がある。
この時期、本流は北風であっても八郷盆地以南においては午後南風が入ってくることが多い。こうなると盆地内に北風と南風のコンバージェンスラインが形成される。盆地東側に当たる竜神山から真家までの平野は唯一の山が切れている場所だ。タスク最大の難所となるこの場所をいかにスタックせずクリアーするかは、やはりコンバージェンスラインがポイントになり得るだろう。
予想されるターンポイントは筑波山、朝日峠、吾国山、燕山で八郷一周となる。八郷盆地という大きなサーキットを回る選手たちの様子は見ているギャラリーにもレース展開が分かり易く、楽しめるタスクと言える。
C:風が弱く、とにかく渋めのコンディション
最近ハンググライダ-が筑波山系の西側平野に位置する下妻市、小山市、トライアングルフライトをコンスタントに成功させている。そしてパラグライダーの競技においてもこの空域は大きな可能性を秘めているとされている。
特にこのコンディションでしかないと言うわけではないが、西側のフラットランドに南北に伸びるコンバージェンスラインが発生するような場合、ぜひトライしてみたい未知世界でもある。可能性は低いが、実際使うこととなると、この筑波エリアで開催されるパラグライダー競技に大きな飛躍となりうる夢のようなタスクだ。
D:+αの筑波西側のフラットランド
筑波山から雨引山アンテナまで南北に続く尾根上にあるパイロンを、何度か往復かさせるアウト・アンド・リターンが考えられる。
一般的なタスクと思われがちだが、コンディションが渋くタスクの組みようが無い場合のみにしか使われないだろう。コンディションが良いと上記のA、Bでのタスクが優先されるからである。条件が渋めで高度が取れないため、山際を上がる弱いサーマルを乗り継ぎ先へ進む必要があるため、距離は短めだが難易度は意外に高い。冷静な判断が必要となるだろう。大会終盤でこうなった場合、結果に波乱が生じる可能性もある。